本書は,大企業だけではなく,中小・中堅企業またはベンチャー企業のトップ(CEO)をはじめ,経営幹部,ブランド・マーケティングやブランド・マネジメントに携わる関係者にとって企業ブランド・マネジメントのための良質なガイドブックである。また,本書は,新たな企業ブランド・マネジメント戦略のあり方を解明し展望する。
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著者: 徐誠敏
出版社: 創成社
発売日: 2010/10/20
価格: ¥ 4,200
本書の目的は,今日の激変するグローバル市場環境の中で,企業価値を持続的に創造するための企業戦略の一環として,今後現代企業が取り組むべき,戦略的企業ブランド・マネジメントの深層的なメカニズムを理論的かつ実践的な研究を通して解明することである。とりわけ,本書の主な内容は,企業トップのCEOブランドと企業ブランド,製品ブランドの3者間の価値創造における相互依存関係の構築・強化に焦点を当てている。これらの解明こそが本書ならではの特徴でもある。
今,現代企業を取り巻くグローバル市場環境は,「100年に一度の経済危機」に直面したことによって,不確実性が一段と増しており,いっそう激変している。このような激変するグローバル市場環境のいくつかの要因により,企業は,以前より製品の差別化を図ることがきわめて難しくなってきている。それらには,
などといった変化要因が挙げられる。とりわけ,IT技術の進歩によるPLCの短縮化と企業間の技術の平準化と陳腐化の加速によって製品の差別化が困難になり,また市場自体の細分化によってその市場構造などが複雑になるに従って,企業のブランド経営の最も重要な求心力となる企業ブランドの重要性がいっそう高まってきている。すなわち,市場予測および製品中心の伝統的なマーケティング戦略から脱皮した新たな競争構造が生まれてきていると言える。このような変化に応じて,現代企業は,差別化が製品単位だけではなく,企業単位からも生み出されることを明確に認識・理解する必要がある。・・・続きを読む
2010年7月27日
徐 誠敏
ブランド論はここ20年ほどの間,マーケティング論におけるもっとも重要なトピックのひとつに成長してきた。しかし個別のブランド研究は個別の問題意識に捉われてしまっているのが通常であり,ブランド論全体を見渡して実務に応用可能な体系をもっている研究は数少ない。
本書の価値は第一に,マーケティング論だけでなく,幅広い学問領域,さらに,国際比較という視点を含んでいる点にある。他のブランド研究・ブランド管理関連書にはあまり見られない組織論・戦略論などの研究成果をも援用しながら,体系的な研究成果を産み出している。ことにCEOブランドへの考察は本書の独自の視点として高く評価できるだろう。
本書の第二の価値は,実務への有用なインプリケーションを多くもっている点である。企業をブランドと言う観点から眺めたとき,企業ブランド・個別商品ブランドなどとの関係において,CEOの役割はどうあるべきか,それぞれのブランド同士の関係はどうあるべきか,こうした課題に有用な解答を与えている。
本書はアカデミアだけでなく,実務家にとっても実際的に役立つ著書となっている。マーケティング論という実用的な学問の性格を考えたとき,これも大きな強みである。
2010年9月3日
中央大学大学院戦略経営研究科教授
田中 洋
本書は,大企業だけではなく,中小・中堅企業またはベンチャー企業のトップ(CEO)をはじめ,経営幹部,ブランド・マーケティングやブランド・マネジメントに携わる関係者にとって企業ブランド・マネジメントのための良質なガイドブックである。また,本書は,新たな企業ブランド・マネジメント戦略のあり方を解明し展望する。
授与大学名:中央大学 授与年月日:平成22年3月19日
報告番号:甲第482号
学位:博士(商学)
国立国会図書館蔵書
■■■徐誠敏の著書(2010)■■■
「企業ブランド・マネジメント戦略:CEO・企業・製品間のブランド価値創造のリンケージ」
出版者:創成社
出版年:2010.10
大きさ、容量等 363p;22cm、参考文献: p341-358
注記:文献あり 索引あり
ISBN 9784794423504
入手条件・定価:4000円
NS-MARC番号:114670200
目録規則:NCR1987年版改訂版
NDC(9版):675:マーケティング
対象利用者:一般
国立国会図書館蔵書
■■■徐誠敏の論文(2010)■■■
「企業ブランド研究の現状と課題:日・韓企業の全社横断的企業ブランド・マネジメント専門組織を中心として」
出版者:富士ゼロックス小林節太郎記念基金 編
出版年 2010.3
大きさ、容量等 57p ; 30cm
入手条件・定価:非売品
JP番号:21744132
目録規則:NCR1987年版改訂版
対象利用者:一般
国立国会図書館蔵書
■■■徐誠敏の論文(2008)■■■
「インターナル・ブランディングの戦略的活用に関する研究― 企業ブランドの形成・定着を中心として」
出版者:中央大学大学院研究年報編集委員会
中央大学大学院研究年報編集委員会 編
出版年:2008
ISSN:13452428、ISSN:13452401、ISSN:13452444
ISSN:13452452、ISSN:13452436、ISSN:1345241X
ISSN:02888750
対象利用者:一般
雑誌名:中央大学大学院研究年報;巻号:2008, 38,
(商学研究科篇);掲載ページ:21~38
■■■徐誠敏(2008)■■■
「企業ブランド・マネジメントの深層的なメカニズムに関する 理論的研究--統合的な視点を中心として = A theoretical studyof in-depth mechanism of corporate brand management:focusing on a integrated perspective (特集 現代企業の戦略とマーケティング)」
mechanism.pdf
出版者:中央大学企業研究所 / 中央大学企業研究所 編
出版年:2008
注記:記事種別:4:特集
ISSN:13479938
NDLC:DH
対象利用者:一般
雑誌名:企業研究;巻号:2008, 13; 掲載ページ:21~51
■■■徐誠敏の論文(2007)■■■
「企業ブランド研究の現状と課題 = A contemporary condition and assignment of corporate brand research」
contemporary_condition.pdf
出版者:中央大学企業研究所 / 中央大学企業研究所 編
出版年:2007、ISSN:13479938
NDLC:DH
対象利用者:一般
雑誌名:企業研究;巻号:2007, 11;掲載ページ:209~239
■■■徐誠敏の論文(2007)■■■
「マーケティングにおけるブランド概念に関する研究の発展 プロセス― 研究史的考察を中心として = A developmental process of brand concept study in marketing:focus on the historical perspective」
developmental_process.pdf
出版者:中央大学大学院研究年報編集委員会
中央大学大学院研究年報編集委員会 編
出版年:2007
ISSN:13452428、ISSN:13452401、ISSN:13452444
ISSN:13452452、ISSN:13452436、ISSN:1345241X
ISSN:02888750
NDLC:DL
対象利用者:一般
雑誌名:中央大学大学院研究年報;巻号:2007, 37,
(商学研究科篇);掲載ページ:57~76
■■■その他■■■
「切磋琢磨への道」
sessatakuma_part1.pdf
「人生において「成功」というものが我々に与える意味について考える」
sessatakuma_part2.pdf
「先進国市場と新興国市場におけるサムスン電子の躍進要因に関する研究―デザイン力、グローバル・マーケティング力、グローバル・ブランド力の革新期に着目して―」『富士ゼロックス小林節太郎記念基金2009年度研究助成論文』、2012年
「地域専門家制度から見たサムスン電子の「グローバル・マインドセット」の構築戦略―複眼的・多角的な視点による考察を中心に―」『経済経営論集』第23巻第1号、名古屋経済大学経済・経営研究会、2015年(共著)
「サムスン電子の地域専門家制度の普遍的適用可能性に関する研究―韓国企業の先進的取組事例を中心に―」『経済経営論集』第23巻第2号、名古屋経済大学経済・経営研究会、2016年。(共著)
「不況でも勝ち続ける日本の中小製造業の「ものづくり競争力」と「市場づくり競争力」のバランス戦略―本多プラスの5つの革新期に着目して―」『経済経営論集』第23巻第2号、名古屋経済大学経済・経営研究会、2016年
「ブランド創発型企業(Brand-Inspired Company)」を構築・強化するための戦略的なインターナル・ブランディングに関する研究」―」『経済経営論集』第24巻第1号、名古屋経済大学経済・経営研究会、2016年(共著)
「新興国市場におけるグローバル企業の持続的成長戦略」『富士ゼロックス株式会社 小林基金リポート2016』助成対象者OB寄稿
「包括的な観点から捉える需要探索型イノベーションに関する事例研究―戦略的優位性に着目して―」『経済経営論集』第25巻第1号、名古屋経済大学経済・経営研究会、2017年(共著)
「情報化社会における産業と情報通信技術(ICT)を活用する職業に関する事例研究」『教職支援室報』第1号、2018年
「需要探索型イノベーションの視点から捉えるブランドづくりに関する研究―日米韓グローバル企業の先進的な取り組み事例を中心に―」(林田博光教授古稀記念論文集)『商学論纂』第59巻第3・4号、中央大学商学研究会、2018年
「新興国市場における需要探索型イノベーションの戦略的優位性に関する研究―韓国企業の先進的取組事例を中心に―」『経済経営論集』第25巻第2号、名古屋経済大学経済・経営研究会、2018年(共著)
「中小企業がブランド創発型企業を構築するための基盤づくりに関する理論的考察」『経済経営論集』第26巻第1号、名古屋経済大学経済・経営研究会、2018年(共著)
「中小企業のブランディング戦略の実行課題とその解決策に関する研究―(財)ブランド・マネージャー認定協会の事例を中心に―」『経済経営論集』第26巻第2号、名古屋経済大学経済・経営研究会、2019年(共著)
「中島大祥堂のブランディングとインターナル・ブランディング戦略実行の阻害要因を克服するための戦略的な取り組みに関する研究:5つの企業競争力の発展プロセスに着目して」『経済経営論集』第27巻第1号、名古屋経済大学経済・経営研究会、2019年(共著)
「ブランド創発型企業を構築するための戦略的なインターナル・ブランディングに関する研究:中小企業の視点を中心に」『国際ビジネスコミュニケーション学会研究年報』第78号、2019年(共著)
「企業変革の推進における戦略的インターナル・ブランディングの普遍的なプロセスに関する研究:Kotterの8段階プロセスの視点に着目して」『経済経営論集』第27巻第2号、名古屋経済大学経済・経営研究会、2020年(共著)
「CEOブランドがイノベーションと戦略的インターナル・ブランディングに与える影響に関する一考察:「本多プラス」の事例に着目して」『経済経営論集』第28巻第1号、名古屋経済大学経済・経営研究会、2020年(共著)
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